当て馬ならし
「あ!でもこの前の鍵、
 魔方陣見えなかった」
ファルゴアの魔術師の魔方陣を
使っているの見たことないと付け加える。

すると彼は本をプカプカと
浮かして見せてくれた。
そしてその本に翼が生えて
パタパタと私の前を飛び始める
「さっきのはゆっくり工程をみせた、
 簡単なものは呪文も含めて
 省略も可能」
「へぇーーーー・・・・・」
空飛ぶ本が綺麗で目で追っていると
その背表紙にいつのまにか
さっきの氷のパペットが
馬に乗るようにまたがっていた

そしてその本の天馬から降りて
私の肩にのった。
手のひらを差し出すと
手の上にのってくる
そして丁寧にお辞儀をして
『バイバイー』って感じで手を振った
クスクスとわらうと
氷のパペットは今度は
どんどん透明になって消えて行った。

可愛い魔術ショーに心がほっこりする。

「もし、あのポーションが完成したら
 民はみんな喜んでくれるわね。
 まだ先になるかもしれないけど、
 ファルゴアにも是非輸出してね」
そういうと、ラル王子はふんわりと
「ああ」
と言った。
< 197 / 437 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop