当て馬ならし
第四章

第一話 当て馬探りし

夕食会は、アル王子はもちろんだが
日によって席にすわる顔ぶれが変わる

私たちは基本的にアル王子を
取り巻くように配置された
テーブルに座り
食事前に紹介された
ピコランダ国の重要人物は
王や王妃の座る側の
テーブルについて食事をとる。

いままでも、代わる代わる
紹介される人がいて、
ハトナの情報通り
今日はそこにあの人物がいた。

宮廷魔術師 ジフェル・カヴァル

紫色のローブをまとい
シルバーグレーの長髪を肩まで垂らし
鷲鼻ではあるが、
いつも笑っているようなカーブを描く目は
温厚な印象を受ける
男性にしては高めの声だが
ゆっくりしゃべる様は
どこか中世的である。

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