当て馬ならし
夜目が聞くわけでもないし、
特殊な訓練を積んでるわけでも
ない私だけど。
田舎育ちで森の状況には、
多少精通している。

魔物狩りの部隊に
こっそり忍び込むこともあったので、
レンジャーたちがやっている
足跡の見分け方を
見よう見まねで覚えたりもした。

なんとか、人が踏み荒らしたと
思われる跡が見つかった。

枯葉を踏む自分の足音だけが
耳に着く・・・

静かに流れる森の空気は澄んでいて、
こんな状況でなければ
安らげるのに・・・

でも月明かりを頼りに
今は必死で目を凝らす。
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