当て馬ならし

第四話 当て馬抗いし

我が国・・・
その言葉に思考が動き出す

『俺の国の事だ』

そういって微笑んだ
優しい響きが心に蘇った

この国を守ろうとしている魔術師を
思い浮かべる

その夜色のローブが
堂々とはためき
眼鏡の奥の知的な瞳が
湛える深い青を

身体の中に・・・火がともった・・・

「・・・するか・・・」
そうだ、私はこの国を
守りたいと思った
「なんですか?
 よく聞こえなかったですよ」
からかう様に言うジフェル
私は、その歪んでしまった欲望を
抱いた魔術師を睨みつける
そして大きく息をすって

「屈するものか!!!!」

そう宣言する。

ジフェルは一瞬、
私の声に驚くように肩をすくめたが
その後、吐き捨てるように言った
「つまらないねぇ・・・
 まぁ、知ってましたけど」

そう言って止めていた歩みを
再開する。
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