当て馬ならし
私はもう一歩も動けず立ったまま
座る事さえできない

今や体中が悲鳴を上げて、
意識は気を抜くと
刈り取られてしまいそうだ

覚悟は決まっている・・・

ただ、最後まで屈しない

どうか・・・気が付いて
・・・そして、あの姫達を助けて・・・
そう願って目を閉じる・・・


「さようなら」

やっと呟いた言葉は
まったく音をなさなかった・・・

最後に浮かんできた笑顔は

夜色の瞳をもったあの王子の顔だった。
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