当て馬ならし
・・・わかちゃった・・・
”また”なんだ・・・
彼は私の王子様でなく
いままさに扉を開けた子の
王子様なんだ・・・

私にはわかってしまうのだ
彼女に向かう彼の愛情
愛情の先にある場所を振り返れば

あぁ、そうきたかぁ・・・
幼馴染のあの子だったかぁ・・・・
彼に対する秘めた想い
困惑・嫉妬・・・
諦め・・・

こりゃ次は逃亡だなと
予想する。

小さく震える吐息を吐いて
彼女は泣きそうになりながら
逃げていく・・・ほらね?

「すまない・・・俺は・・・」
「追いかけなさいよ・・・
 別に私のところみたいな
 小国足蹴にしたって
 損も得もないんだから・・・」
倒れかかっていた体を離す
「ありがとう」
そいって彼は彼女を追いかけたのだ

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