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そもそも、僕がハルの家に行った真の目的は、男を出て行かせることではなかった。

そんなのはついでに過ぎない。

僕は、ハルにその男が自分の父親に似ていることを認識してほしかった。

だから、ハルの家に向かっている道中、わざとハルの父親の話しをした。

その男に会う前に、父親のことを一度思い出しておいてほしかったから。

かわいそうに、ハルは思い出すのも苦しそうだった。

そうさせたのは僕だけど。

僕はそうやって少しずつ傷を開いて、ハルに痛みを与えていることを実感した。
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