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もう感情を抑えられなくなって、胸に顔を押し付けたまま、堰を切ったように号泣した。

「弱くなったっていいんだよ。頼っていいし、甘えてもいいんだから」

頭を優しく撫でられている。

どうしてそんなこと言うの?

そんなことを言って、困るのは私なのに。

和馬がずっとそばにいてくれるわけじゃないのに。

そんな無責任なこと、言わないでほしい。

そんな風に優しく囁かないでほしい。
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