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ビクッとして声の方を見ると、そこにいたのは眠そうに目をこする和馬だった。

和馬は布団に入らず、ベッドの隅に寄りかかって寝ていたらしい。

「……か、ずま?」

「うん」

私は働かない頭で必死に状況をつかもうとしていた。

「私……」

「うん」

「……」

「なに?」

「ここ、和馬の家?」

「うん、そうだよ」

「私……、どうしてここにいるの、かな?」

「憶えていない?」

「うん……。ごめん」

うなだれて私が言うと、和馬は「まあ、いいけど」と微笑んだ。
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