ページをめくって
不安になって、じっと和馬を見つめた。

「他にも何かあるの?」

じっと見たから勘違いしたのかな。

他にも?

そう言われて、ちょっと考えた。

……あるけど、聞きにくいな。

どうして何もしてこないの?なんて。

私は、このままでいいんだけど。

むしろ、このままの方が私はいいんだけど。

和馬はそれでいいの?


私の目の動きが挙動不審だったのか、和馬はじっと見つめてきた。

「あるの?何?」

私はすごく困った。

「んーとね……、どうして……」

「うん」

「どうして、何もしないのかなと思って」

消え入りそうな小さな声になってしまった。

「してほしいの?」

「そういうわけでは……」

「そうだよね」

拒否的、だったかな?

「……ごめんなさい」
< 284 / 522 >

この作品をシェア

pagetop