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残念そうに和馬は体を離してくれた。

でも、自分で断ったくせに急に寂しくなって、せっかく離してくれたのにまた擦り寄ってしまった。

「どうしたの?」

何も言えずに首を振った。

「甘えん坊さん?いいよ、甘えて」

和馬は溜息をつきながら、嬉しそうにそう言うと、また抱き締めてくれた。

ああ、これ、きっときりがない。

離れたくない。

会社休みたい。

でも休めない。

……頑張って、離れなきゃ。

「ん、やっぱり起きる」

「うん、そうだね」
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