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9時に会社から出てきたハルは疲れた表情をしていた。

「疲れてる?大丈夫?」

「うん、大丈夫。ありがとう」

いつも通り手を握った。

毎日こんなに長時間ずっと会社で働いていたら疲れるだろう。

なんとかならないのかな。

でも、働くってそういうことなのかもしれないけれど。

「今日はいつもの定食屋に行こう?」

「うん」

うん、と言ったものの珍しくハルは少し不機嫌になった。

「違うところがいいの?」

「ううん、……作っちゃダメなんだよね?」

そんなに作りたいの?

でも、この時間だよ?

この辺の感覚はよくわからないな。
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