ページをめくって
「また簡単なの作るから!」

「うーん」

「和馬の分なんて、ついでに過ぎないから」

そう言われてしまうとなんか寂しいな。

これはもう間違いなく僕の方が、形勢が悪い。

「もう9時半近いけど、大丈夫なの?」

「すぐできるから。10分で出来るよ!だからお買い物、行ってもいいでしょ?」

ハルは僕の腕にギュッとしがみ付いてきた。

もうそれ、僕が弱いこと絶対にわかってやってるでしょ。

ダメ押しだね。

「……わかったよ。でも、僕が本当に無理をしないでほしいから言ってるのはわかってよね」

「うん、わかってる」

ハルは満面の笑みを向けた。

そんな笑顔、今日は完全に僕の負けだよ。

僕は負けず嫌いなんだけどね。

でも、そんな笑顔を見られるなら、君に負けるのは悪くない。

今日のハルは流されなかった。

これはきっと良い方向に進んでいる。

言いたいことを言えてるってことだろうから。
< 413 / 522 >

この作品をシェア

pagetop