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見るとハルは、僕の顔色をうかがうような瞳をしていた。

僕の顔色を見てるの?

その怯えた瞳を見て、一瞬で我に帰った。

今、完全に怒りで我を忘れていた。

そんな怯えた瞳、僕が怒っているのを見て、怖かったんだね。

僕としたことが、ハルを怖がらせるなんて。

でもハル、人の顔色をうかがって、ビクビクして過ごすのは、もうやめるんじゃなかったの?

「ハル、僕の顔色なんてうかがわなくていいんだよ。ハルがどうしたいのかが大事なんだよ?ハルはどうしたいの?」

ハルは泣き顔になった。

「……和馬と、一緒にいたい」

「じゃあ、こっちにおいで」

「……行けない」

寺嶋が鼻で笑った。

「ほらね?俺の方がいいんだってさ。ね?遥先輩、行きましょ」

「やだ」

ハルは珍しく即答した。

今度はこっちがニヤッとする番だった。

「ちゃんと話をしよう?だからハル、こっちにおいで」

ハルは戸惑った様子を見せていたけれど、それでも寺嶋の背中をすり抜けようとした。
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