芸能人とスキャンダル!?―ありえない恋―
きっとまた甘えてしまった。


だからこれで・・・


これでよかったんや。









「満員やなー、」


いっぱいの客席を見て、夏紀君が言う。


「・・・そうやんな。」


笑っても、気持ちは複雑やった。

二回目のコンサート・・・。


笑美と出会った場所。


全てが始まった場所。


笑美が居る筈はないんやけど。


やっぱりそれでも、


辛いのに変わりはない。




「よっしゃぁ!!!!行くでぇ!!」


『っしゃぁっ!!!』


毎回恒例の声掛けが終わり、
ステージに上がる。


・・・始まる。


〜〜〜〜♪


大きく流れる音に、気持ちを紛らわしてた。


・・・なのに・・・。


(っ・・・笑美っっ・・・)


何で・・・?


何で笑美が居るん・・・?


・・・何で・・・


見付けてしまうん?


こんなに沢山の人が居る中で、
何で笑美を見付けてしまうん?


・・・何で?


何でなん?


「ええっ、とこの曲は自分で作詞作曲しました聞いて下さい【stay】」


俺が歌う後ろでは、


竜雨君がドラム。
夏紀君がベース。
秋君がギター。


でサポートしてくれてた。


いうまでもなく、【stay】は
笑美との事を書いた曲で。
自分の気持ちを整理したくて。
笑美が聞く事はないけど、
少しでも届いてくれればいいと。


そう思って。
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