マンガみたいな事が起きました。*続*

生徒会長が前に出てきた。


「答辞。
肌寒い風が吹きつつも、暖かい日差しが私たちを照らす今日この頃、私たち卒業生のためにこのような厳かで晴れやかな卒業式を挙行していただき、心より感謝いたします。未来に不安と期待を胸に持ちながら、私たちは今日、卒業します。

3年前の春、義務教育を終え自らの意志で入学したこの高校。
春の柔らかな日溜まりに、桜の花が満開の中、私たちは入学式を迎えました。
入学したての頃は、新しい環境で変化に戸惑いましたがそんな私たちを導いて下さったのが、先生方や先輩方、仲間でした。

2年生になり、私たちは後輩ができました。頼りになる先輩を支え、自分たちも頼られる存在になることの難しさと達成感を感じました。
また、修学旅行では班やクラスとの絆を深め、日本の伝統文化を近くで見るこてによって、改めて日本を見つめ直すことができました。

3年生、進路を考え夢の実現へ一人一人が歩み始めました。先生方へ質問に行ったり友達同士で教え合ったりと、ここでも沢山の方々に協力していただきました。

ここまで私たちが成長できたのは、先生方を始め、保護者の皆様、全校生徒の皆様がいつも側にいたからです。
今まで本当にありがとうございました。

私たちは春から別々の道を歩みます。
また環境の変化に戸惑うこともあるでしょう。
その時は、今日までのことを思い出し、
夢を実現させる一歩一歩を踏みしめて行きましょう!

最後になりましたが、校長先生を始め、
諸先生方のご健勝と本学の更なる発展を祈念し、卒業生の答辞と致します」


深々と礼をし、生徒会長はステージを後にした。


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