Special to me
ショックだった。
私はそんなこと、全く考えたことがなかった。

『僕もお節介だなぁ。この話を君にしたと米原に言ったら怒られちゃうだろうから、内緒でお願い。米原は君のことをそう思ってしまっているから、そんな君が助役試験の受験を説得することは、アイツには逆効果かも知れないと思ったわけよ』

「助役って、本社勤務になるかも知れないんですよね。曽我さんがやっている助役だって、どこのポジションだって、この江戸高速鉄道のために仕事しているのであれば、私は変わらないと思うんです。だから・・・」

『だから?』

「この用紙、私が預かってもいいですか?もし説得できれば、晃樹自身が印鑑押して曽我さんのところに持って行かせます。説得できなければ、私が曽我さんにお返しに上がります」

私は真っすぐ曽我さんの目を見た。

『分かった。期限は1週間。あまり時間はないよ』
「分かりました」

『それと、あと2つ。君に話しておく』
「何でしょう」

曽我さんは立ち上がって窓の外を見ながら話す。
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