Special to me
「その話し合いの中で、ケンカとかしちゃうのかな」
『それがベストな選択をする上で必要なことならば、いいんじゃないか?』
「え~?嫌だぁ」

私の態度に、晃樹は笑った。

『俺だって嫌だよ。じゃ、今決めておくか?仲直りする時のルール』
「はい、晃樹せんせい!」

私は手を挙げた。

『何だい?宇都宮さん』

ノッてくれた晃樹。

「私は、仲直りする時はせんせいとキスがしたいです」
『それは却下だ』
「え、何でぇ?」

せんせいごっこはあっけなく終了。

『それだと公衆の面前でやれないだろ?それに・・・自分達の子供の前で出来るか?』

公衆の面前はともかく、自分達の子供?

何かピンと来ないんだけど・・・

『ピンと来ないなら、自分の親に置き換えてみろ』

う~ん・・・

「無理、だね」
『だろ?かと言って言葉で伝えるのも感情として難しかったりする。だから、俺はこうしたいな』

と、さっき一度離れた私の右手をもう一度握った。

『俺、真子の手の感触が大好きなんだよね。柔らかくて、しなやかで』

晃樹はそう言うと私の手を何度も握り直した。

「私も、晃樹のごつい手に繋がれると、安心するんだ」

厚みのある晃樹の手。
小さい私の手を包んでくれる温もり。
< 150 / 255 >

この作品をシェア

pagetop