Special to me
そして無事に戸籍課で手続きを終え、晴れて私達は夫婦になれた。

1Fで転入届を出し、住民票の写しを貰うことも忘れずに・・・

その足で、近くの警察署にも行った。

免許証の変更。
晃樹は住所。
私は名前と住所。

とは言っても、裏に手書きされるだけなんだけどね。
でもそこに"米原真子"と書かれたことには、ちょっとまだくすぐったかった。

そんな私の様子が分かった晃樹は、からかうように。

『これからよろしくお願いします、"米原真子"さん』

と言うので、

「はい、よろしくお願いします、私の"旦那さま"」

と、"旦那さま"を強調した私。

『あ、仕返ししたつもりだなぁ、コラぁ』

と、警察署の駐車場で逃げようとする私の手を取って御用にした晃樹。

『さ、宗岡駅に向かうぞ。駅長に住民票提出しないと。俺達が旅行に行っている間に社宅の正式手続きを完了させてくれるから』
「うん!」

宗岡駅に着くと、晃樹に"駅長が2人で来いって言うから、行くぞ"と言われて、私も宗岡駅に入る。

事務室に入るのは、あの雪の日以来かな。
あの時は必死だったけど、今日は・・・駅員さんたちの視線を感じる。

ひとりひとりに会釈をし、奥の駅長室に行く。
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