Special to me
出会いは・・・湘南の海での曽我さんによるナンパ。
そんな出会いで一夜だけと思っていた関係が、気が付けばズルズル5年。

『うちは男女が逆でさ。彼女の夢を、俺が応援してあげたくなって、日陰になって支えていたんだよ』

と、曽我さんは笑う。

千尋さんは曽我さんと出会った頃は司法試験に一発合格し、司法修習生として修習所にて検事への任官試験合格に向けて猛勉強していた。

つかの間の、1日だけの息抜きと思って女友達と出掛けた湘南の海。
そこで同様に男友達と遊びに来ていた曽我さん達と出会った。

曽我さんが思い出話をする姿を時々穏やかに千尋さんが見つめながら、準備の手は休めない。

千尋さんは無事検事になったものの、1年の新人検事生活ののち、地方での2年間の検事生活を強いられる。

その間は曽我さんとの遠距離恋愛。

『私は2年間、仙台にいたの』

キッチンから千尋さんの声がした。

「仙台、ですか」

新幹線で2時間くらい?

『離れているとさ、なかなか辛いよね。俺、本気で仕事辞めようと思って、千尋に相談したもん』
『会う度に"絶対辞めるな"ってヤスに言うのが口癖だったのよ、その頃は』

千尋さんはそう言って笑った。
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