Special to me
『米原晃樹です。妻の・・・真子です』
「よろしくお願いします」

タオルで濡れた手を拭いて、私達にお辞儀した。

『曽我の妻の千尋(チヒロ)です』

と名乗る曽我さんの奥さんは、どう見ても・・・妊婦?

でも、スリムなGパンに、マタニティー用とは思えない可愛いレースをあしらったピンク基調のワンピースを着ていた。

メイクはしていないけど、どこか垢抜けた感じ。

『9月に出産予定なんだよ。今ならまだ子供がいないから、気兼ねなく大人の会話ができるでしょ』

曽我さんはそう言った後、私達をソファーに座らせた。

『さ、夕飯出来るまでの間・・・車だからお酒は無理か。なら、お茶だね』

と、冷たい緑茶を用意してくれた。

『曽我さんは、この社宅に新築の時から住んでいるんでしたっけ?』
『そうだよ。だから4年半かな。まだ助役になる前』

「結婚されてからはどれくらい経つんですか?」
『6年。ようやく千尋の仕事が落ち着いて、今妊婦ってわけよ』

すると、曽我さんが"夕飯までの時間稼ぎ"と言って自分達の馴れ初めを教えてくれた。

千尋さんの職業は元々検察庁の検事さんだった。
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