Special to me
三連休明け。

結婚式を終えてから初めての出勤。

朝ご飯を食べて真子に見送られる日常は、別に結婚式前とは変わらない。

でもひとつだけ、変化があった。

それは出勤し、助役による"点呼"と言う名の出勤と乗る電車のスケジュール確認とアルコール検査があり、いざ乗務をしようと白手袋を出して…

右手に填めて、次は左手に填めようとしたら、結婚指輪に引っ掛かった。

指輪の存在がやけに愛しくなり、手袋を外して少しの間自分の手を眺めた。

「慣れなくちゃな」

そんな独り言を言いながら、指輪の上から白手袋を填めた俺。

さ、今日は日勤だ。
夕方6時には仕事が終わる。

それでも、真子の方が帰宅が早いので、先に帰ってご飯を作ると朝から張り切っていた。

そんなことを考えたら、早く真子に会いたくなった。

いや、その前にまずは自分の仕事を全うしよう。

そうじゃないと、逆に、

"集中力が足りない!"と、真子から叱られそうだ。

俺は車掌用のハードケースを持ち、乗務する電車の到着をホームで今日も待っていた。
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