Special to me
「狭くていいんです。その方が・・・」

"その方が・・・?"

私がそう言いかけたところで、ここが秘書室のフロアだということに気付き、我に返った。

だから携帯と私の口を手で囲んでから、声を潜めて私は言った。

「狭い方が、抵抗なく米原さんに抱きつけますから」

"ありがとう。真子ちゃん。ほら、そろそろ時間じゃない?"

「はい。お付き合いいただいてありがとうございました。また、遅くならないうちにメールします」

"俺こそ、ありがとう。メールはいつでもいいからね"

名残惜しいけど、米原さんとの電話はそこで終わった。

程なくして、すみれさんが戻ってきた。

『あれ、真子ちゃん。今日は同期たちの社食に行かなかったんだね。あ、もしかして、彼氏とお電話かしらぁ??』

私に興味津々のすみれさんは2人の男の子のママさんだ。

『いいなぁ。私はもう結婚10年経って、旦那様にときめかなくなってしまったわぁ~』

「そんなこと言うと、長野部長に怒られますよ」
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