Special to me
☆鬼怒川で過ごした後~side MAKO~
窓から朝日が差し込む。

布団は2組敷かれているのに、ひとつはまったく綺麗なまま。

1つの布団を2人で入って朝を迎えた。

浴衣はおろか、下着も着けていない。

お手洗いに行って戻ってくると、晃樹が目を覚ましていた。

でも起き上がる気配はない。

『おはよ、真子』

「おはよ、晃樹」

『こっち来て』

と、今まで私が寝ていた場所に戻るように言われた。

横になった途端、強く抱きしめられた。

『前にも話したけど、鉄道会社って、男社会でさ。こうやって真子を抱きしめられる俺は、幸せ者だ。今、改めてそれを感じたくて』

「あったかい」
『暑いだろ』

「ううん。晃樹の体温は心地よいよ」
『俺も、真子の柔らかさが心地よい』

晃樹は私に軽くキスを落とすと、

『さ、朝ごはん、行こうか』

朝は1階のレストランでバイキングだ。

『駅にいる時以外では久しぶりに朝ごはん食べたかな』
「家では食べないの?」

『うん。食べずに行く。けど明けの朝はごはんやパンを用意してくれるんだよ』
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