Special to me
「お姉さんは?」

『姉は結婚して今は福岡に住んでいるから、正月くらいしかこっちに帰ってこないよ』

「へぇ」

私もコーヒーを飲んだ。

我ながら、甘いけど美味しい。

『ところでさ、真子ってきょうだいいるの?』
「兄が2人。両方とも結婚してあの家にはいないけど」

私には7つ上の兄と、5つ上の兄がいる。

『真子は、ご両親に可愛がられたんだろうな。最後に生まれた女の子だから』
「うん。ちょっと自分でも自覚してる」

『ねぇ、真子』

そう言うと晃樹はマグカップを置いて、私の肩を両腕で包み込んだ。

『ご両親はきっと、真子を大事に思っていると思う。でも俺は、真子のことを、そのご両親を超える思いで、ずっと大事にしたい』

「うん」

『突っ走り過ぎかな、俺』
「大丈夫だよ。それだけそれまでが長かったってことでしょ。8年半が」

晃樹は私を見ていてくれた。
だからこれからは、私があなたを見つめ続けたい。

そんな想いがここ、晃樹の部屋で溢れて・・・

目の前にあるベッドで、私達が繋がり合うことは、自然な流れだった。
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