Special to me
翌日の昼休み。

晃樹のホールケーキの残りを社員食堂に持ち込んで、同期の恵美加と玲奈に食べてもらった。

『え~?これ、真子の彼氏が作ったの?』
『この腕で真子が張り合おうと思っても、無理だね』
「やっぱり、そう思う?」

料理に関しては、晃樹には完全に白旗かな。

晃樹の言うとおり、役に立てるカテゴリーは他にあるだろうから、探す努力しないとね。

『それ、もらったの?』

玲奈が聞く。

私が右手薬指にするリング。

『アンタが指輪するのって、珍しいよね』

恵美加がニヤニヤしている。

「私も、記憶にないかな」
『ピアスは開いているのに?』

「これは大学の友達に道連れで皮膚科に連れて行かれたの」
『あら、可愛くないエピソードだね。でもそのブルーは、真子に似合ってるよ。より一層、艶っぽくなった』

恵美加はそう言うと"いいなぁ"と言いながらトレーを持って返却口に向かって行った。

「ちょっと、もう行くの?」
『自分磨きの予約するの。電話しに行きたいから、じゃぁね』

残された玲奈と私。
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