ウェディングドレスと6月の雨
口に含んだアイスコーヒーを飲み込み損ねてむせた。
「先輩、そんなことしてるんですか?」
「まあ、たまに。オカマバーってやつ。ほんとにたまにだけどね。成瀬さんも今度一緒に行く?」
「いえ。遠慮します」
時折先輩は突拍子もないことを発言する。それはそれで会話のスパイスになるから楽しいけれど。
穂積さんの真意は分からない。週末に遊ぼうっていうのは友達としてなのか、異性としてなのか。はっきり聞くのも恐くて、私は曖昧にしたままだった。どちらにしたって穂積さんの中には彼女がいて、私の恋は失恋が確定している。それでも穂積さんに会う約束ができて喜んでる自分がいるのだ。それはそれで惨めだけれど。