甘い公約
魅せられた女


プロローグ

私の唇はいつにも増して輝いていた。

私のでない唇が、私の悪を吸い取っている。でも息苦しい訳じゃない。その唇は私の息するタイミングをちゃんと知っていて、ベストなタイミングで離れてくれる。それが繰り返されて今、100回目の吸引が終わった。


「ありがとう」
「いいえ。お嬢様には愛がなくてはなりませんから」


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