引き立て役よさようなら(番外編追加)
「確かにあれは君の確認なしにした事、それは認めるよ。でもね・・・
俺、謝らないから。」
彼のことばから反省と言う言葉はなさそうだった。
何が・・・謝らないからよ。
別に謝ってもらおうだなんてこれっぽっちも思っちゃいない。
それよりも二度と会いたくない
そしてこの人を絶対に好きになることはないと思った。
そんな空気の中、急に甲高い声でこんばんは~~と美由紀が入って来た。

「美由紀!遅い!」」
正直2人きりでいるのが苦痛で仕方がなかった優花には
美由紀の登場はかなりの救いだった。
「え?・・・お・・遅かった?」
美由紀も珍しく優花の表情に驚いていた。

「大丈夫ですよ。優花さんはきっと彼氏さんがまだなので
あせってたんでしょ~~ねっ。優花さん」
さっきまで見せていた顔はどこえやら
作った笑顔で美由紀に話しかける桜沢を優花はただ黙って
見ていた。
反論したところで勝てる自信がないと思ったから・・・

「あっ。そういえば優花の彼氏さんまだなんだ。
じゃあ・・・・桜沢さんの隣・・・いいですか?」
桜沢は笑顔でどうぞと答えると、美由紀は満面の笑みで座った。

しかし、美由紀の合コンスマイルも今日は格段気合いが入っている。
これが普通の合コンなら呆れてものも言えない優花だが
今日に限っては、がんばってと応援すらしたくなる。
美由紀と桜沢がうまくいけばもう優花が悩む事はなくなるからね。
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