引き立て役よさようなら(番外編追加)
「そんなに彼女を大事に思っているなら、偽名なんか使わせちゃだめだよ。
 flybyの大野達央君?」
桜沢の言葉に一瞬顔が強張るがフッと笑いが漏れる。

「あんた・・・全くわかっちゃいないね。」
達央は優花をぐっと引き寄せると

「俺はいつでも優花との事を公表できるよ。そんなもんはな・・・いつだってできるんだよ。
だけどな、公表することで一番辛い思いをするのは俺じゃない。優花だ・・・
俺はこの通り忙しくてなかなか一緒にいてやれない。
そんな時にもし俺との事が公になった時、誰が優花を守ってやれるんだ?
俺が優花をちゃんと守れる時間を確保出来た時にはちゃんと公表するし
その時は優花を全力で守る。誰にも頼るつもりはない。もちろんあんたにもな」

すると桜沢はフッと笑った。
「俺は今日、あんたに殴られるんじゃないかって思ってた。
 優花ちゃんに無理やりキスしたようなもんだったし
 あんたがもし俺を殴ったら・・・それこそ知り合いの雑誌記者にでも
 リークしようかと思ってたんだよね。
 だけど・・・あんた俺を殴らなかった。もうちょっと楽しめると思ったのに
 ざ~~んねん。・・・・だから言わないよ。でも、諦めた訳じゃない。
 もしあんたが彼女を守り切れなかった時には
 手段を選らばず彼女を奪うよ」

「やれるもんならどうぞ・・・」
達央もフッと余裕の笑みをこぼした。
< 137 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop