引き立て役よさようなら(番外編追加)
「flyby・・って低空飛行とか・・・接近飛行って宇宙や空を意味するんですよね。
曲にもそういった意味を持つタイトルを使ってるから
達央さんは星とかもきっと好きなのかなって・・・そう思ったんです。」
「そこまで知ってたの?・・・ありがとう。
本当に手が届きそうだね・・・俺・・マジやばいかも」
「え?」
横を向き達央を見るが伸ばした手で表情がよく見えない
「マジ感動して・・・泣きそう」
嘗ての自分と同じ様な反応を見せる達央に対して優花の目頭も
熱くなる。
「私も同じ思いでした。この場所は私にとって本当に特別な場所なんです。
 何かあると休みをもらってここでぼーっと星を見るんです。
そしたら・・なんか今の自分の悩みって凄くちっぽけな事の様に
思えるんです。・・・だから私には気持ちを落ち着かせたり、
リセットさせることのできる大切な場所なんです。」
達央は優花の話を黙って聞いていた。
「俺もこれから先ずっと優花と一緒にこの特別な場所を共有してもいい?」
「え?」
星に向って差し伸べられていた手が優花の手を握った。
「昼間、優花のおばあちゃんに言った言葉は、本心だよ。
 正直、仕事が忙しくて寂しい思いをさせているのはわかっているけど
これから先も俺はずっと優花の隣でこうやって手を繋いでいきたい。
そしてこのとっておきの場所を2人で共有したいって思ってる」
「達央さん・・・」
「こんなに俺の心をかき乱してくれる人はいないよ。
特にこんな粋な事してくれる人は・・・優花だけ・・・優花しかいないんだから」
気がつけば星は見えなくなっていた。
そのかわり達央が目の前にいた。
「絶対離さない。この星に誓っても・・・」
誰もいないこの星の下で2人は熱いキスを交わした。
 
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