引き立て役よさようなら(番外編追加)
今までの達央の事を知っている高木には驚きの言葉だった。
高木も達央に並ぶようにしゃがみ込むと
ポケットから携帯灰皿を取り出し煙草を消した。
「いいんじゃない?これからの曲作りの幅も広がるし
 いい意味でチェンジ出来たと思うよ。あとは・・・
 マスタリングか・・・お前ら容赦ないからな。
 俺、本当にプロデュースしてんのか?って思う事しょっちゅうあるよ。」
達央はクスっと笑うと
「いやいや高木さんは5人目のflybyのメンバーだし・・・」
「あっ・・そう?じゃあ・・俺にもお前の守りたいもの・・
 いや、守りたい人に会わせろよ!」
ニヤニヤする高木に対し達央は煙草を慌てて消すと
「その事でちょっとさ・・・相談があるんだけど・・・いいっすか?」
急に真面目な顔をする達央に高木は思いっきり背中を叩いた。
「え?お前の相談ってめっちゃ怖いんだけど・・・無茶なのは困るぞ!」
もう笑うしかなかった。


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flybyのアルバムリリースが2カ月後に決まった。
その告知がHP上で発表された。
タイトルは「new world」新世界だ・・・

相変わらず優花は仕事とアパートとの往復生活
を送っていた。
この日もいつもの様に店頭で接客をしていると
お客様がお呼びですと連絡を受け、優花はお客様が待つデジカメ売り場の方へ向うと
そこにはとても珍しい人が来ていた。
「横田さん?!」
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