引き立て役よさようなら(番外編追加)

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「なーに大事そうにかかえてるの?」
足音も立てずに後ろから声をかけてきたのは美由紀だった。
まさかさっき横田と話をしているのを見られたとか?
慌てて振り向くと案の定ニヤニヤした顔で優花を見ていた。
まさに獲物を探す猫の様だ・・・
怖すぎる

足は勝手に後ずさるが一歩下がれば美由紀が一歩近づく。
このままじゃ埒が明かない、そう思い仕方なく
「頼んでいたものを届けてくれたの」
だがそんな説明で引き下がる美由紀じゃない。
「さっきのすっごいイケメンだったじゃん。ねえ・・紹介してよ!
 優花は彼氏いるんだから少しくらいいい男分けてくれてもいいじゃない。」
やっぱりそうきたか・・
だが絶対に紹介なんか出来ない。
大体優花は横田がflybyのマネージャーだと言う事以外何も知らないのだから
「無理」
「なんで?優花だけずるいじゃん」
ずるいと言われても困る。
「だから私・・・あの人と仲良くないもん」
何とか逃げようと頑張るが優花も負けじと引き下がる気配がない。
「じゃあさ・・・あの人からなに受け取ったのよ・・・」
それだけは死んでも言えない優花はない知恵を絞り
「これは・・・車の・・車の見積りなの」
思い切り嘘をついた。
だがそれで引き下がる訳がなく、どこのディーラーなのかとか仕事場はどこだだとか
しまいには優花がどの車の見積りを取ったのかなどとにかくしつこかった。
はっきり言ってこんな美由紀の性格じゃいつまでたっても彼氏が出来る訳がないと
思ったが、それは口が裂けても言わないでおこうと思った。
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