引き立て役よさようなら（番外編追加）
なかなか思いだせず頭をひねると
「唯って名前、聞き憶えない？」
唯・・・唯・・・
「あ～～！もしかしてライブの後に呼びに来てくれたり・・・・
前回のライブの時声をかけてくれた・・あの綺麗な人ですか？」
あの綺麗な人は何者かと思ったけど・・・そういうことだったのかと
納得してしまった。
「一応、flybyのヘアメイク兼スタイリストみたいな事を
やってもらってるんだ。彼女も今日いるから・・・」
そういうと車はスピードを上げ目的地へと向かった。


しばらくすると大きな撮影スタジオに到着した。
横田は車を止めるとスマホを取り出し誰かと話を始めた。

ここに達央さんがいるんだ。
そう思うと優花は妙な緊張感を覚えた。
最後に会ったのはいつだったのだろう。
寂しい時は相変わらずflybyのＰＶをみて寂しさを紛らわしていた。
どんなに画面いっぱいに達央の顔があっても
その顔が自分を見ている訳でない事に何度も寂しさを感じていた。
会いたくて会いたくて仕方がなかった達央に会ったらなんて声をかけよう。
まるで初めて会う様な気分だった。

横田が電話を切って間もなくすると
「とりあえず降りましょうか」
横田に促され車から降りる。
しばらくすると誰かがこちらに近づいてくる
まさか達央さん？そう思ったがその人は達央ではなく
唯さんだった。
「優香さんお久しぶり」
笑顔の唯はやっぱり美人だった。
一緒に歩くと自分がとても陳腐に見える。
この人が横田さんの奥さんなんだ・・・まじまじと見てしまった。
「唯、後は任せたから」
横田は優花の方を向くと
「優花ちゃんごめんね。今からfellow方に行かなきゃいけないから・・・
　後は唯に任せてあるから・・・」
横田はそのまま車に乗って行ってしまった。
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