引き立て役よさようなら（番外編追加）

通常のＰＶでは優花の顔は見えないようになっていたのだが
今映し出されているＰＶは音声はないものの
二人が撮影中に話をしている様子だった。
恐らくメンバーとスタッフの仕業だったのだろう。
ドラムの翔はちょうどま後ろだからスクリーンは見えないはずなのだが
やたらニヤニヤしていた。
何も知らなかったのは達央と優花だけだった。

客席からは物凄いどよめきが起こっていたのだが
それは次第に祝福の歓声へと変わっていった。
歌いきった後に尚也から後ろを見てと指を指されて振り返った
達央の驚きは半端なかった。
そしてもう一人尋常じゃない驚きをしていたのは優花だった。

演奏が終わってもスクリーンにはcolorのＰＶが流れていた。
ドラムは曲が終わってもリズムをとっていた。
尚也がちょっと待ってとジェスチャーをすると優花のいるステージの袖までやってきた。
唯によろしくと言われた尚也は優花の手を掴んで引っ張った。
なんと尚也は優花をステージの達央の横まで連れて来たのだ。
最初は焦ってた達央だったが優花の手を取るとマイクスタンドを掴んだ

「俺の人生を変えた俺の大切な人です。これからはここにいるみんなと彼女のために
歌い続けるからflybyを今後もよろしくお願いします」
達央が深々と頭を下げると優花も・・・メンバーも頭を下げた。
そしてドラムのカウントで再びcolorが演奏された。

「その花の冠似合ってるよ」
ぼそっとつぶやいた達央の顔はほんのり赤くなっていた。

客席からは２人を祝福するように大きな拍手と大きな歓声と共にライブは
終わった。