引き立て役よさようなら(番外編追加)

サプライズ

ライブは無事に終わった。
機材の積み込みもほぼ終わり、ガランとしたステージの中央に
達央と優花は座っていた。

「あんなにたくさんの人がここにいたなんて・・・」
興奮冷めやらぬ表情で優花はライブの様子を思いだしていた。
「でも・・あれはないだろ・・・思いっきり優花が映っていたし・・・
 あいつら何もいわねーんだもんな。」
頭を掻き毟る達央を見ながら優花はフッと笑った。
「私・・気にしてません。でも最初はびっくりした。だって、唯さんが花の冠
用意するし・・・もしかしたら何かあるのかもって思ったけどまさかあんな
演出があるとは思いませんでした。
でもみんなのお陰で私は本当の意味で誰かの引き立て役ではなく
達央さんの横に立てる事ができたんだもん。
だからみんなには感謝の気持ちでいっぱいなんです」
「優花・・・」
優花は立ち上がるとステージから客席を見つめながら
大きく深呼吸をした。
「私は・・・flybyが大好き。flybyの達が大好き。
 でも一番好きな人は大野達央!大野達央がだーいすき!」
ステージに向って優花は大きな声で叫んだ。
達央はけらけら笑うと
「俺も優花がだ~~~いすきだ!」
誰もいない客席に向って大声で叫んだ。

そう言えば・・・優花って俺がこんな仕事してるなんて全く
知らなかったんだな・・・
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