引き立て役よさようなら(番外編追加)
番外編1

ひとりじゃないよ

「ね~~なんで一緒に行かなかったのよ~」

「だって・・・遊びにいくわけじゃないの奥さんだからってついていくのは
どうかな~って思っちゃうっていうか・・・」
flybyのヴォーカルでバンドのフロントマンである達こと大野達央と優花が結婚して
2年が経った。
結婚当初は一番結婚に縁遠いと思われていた達がPVに出ていた謎の女性と結婚ってことで
いろいろと話題になったがflybyはそんな話題を吹き飛ばすかのような勢いで
勢力的に活動していた。
優花はというと達がベストな状態で仕事ができるように裏方に徹してサポート
していた。
といってもそれは私生活の中であって達の仕事のことには一切口を出すことはなかった。
ただ一つ、マネージャーの横田から
曲作りに没頭してると人間らしい生活を忘れてしまうことがあるから
まめに様子を見て欲しいと言われた。
なのでマイスタジオで達が一人で作業している時は
必ず同行するといった生活を送っていた。
それ以外でflybyに携わることは敢え控えていた。
もちろんツアーに同行する事もなかった。
東京でのコンサートだけは友人で大のflybyのファンである果絵と一緒に
客席で(オールスタンディング)ライブを見ていた。
それは達の奥さんというよりはいちファンとして楽しみたかったからだ。

そして優花は今果絵の家で達のいない寂しさを紛らわしていた。
もちろんこういうことは今回が初めてではない。
特に今回のツアーは全国40箇所を回るツアーでアリーナツアーの時のように
すぐに帰って来れない時が多々あるのだ。

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