私がお嬢様をやめる時
山崎くん
山崎くんとのデートの日が来た。
久しぶりのデートなので
私は気合が入っていた。


「水嶋!うんっと可愛くして!」

「かしこまりました。」


いつものように水嶋が
服を選んでくれる。


「こちらはいかがですか?」


水嶋は時々、私に合いそうな服を
こっそり調達してきてくれている。
水嶋のセンスに信頼があるので
私も最近は
水嶋がどんな服を選んでくれるのか
楽しみになっていた。

ふんわりとしたシフォンのワンピース。
上品で女らしかった。


「悪くないわね。」


素直に可愛い服ー!とか言ったら
水嶋は笑うだろうか?
最近、水嶋が笑わないのは
私がすごくワガママで
ひねくれているから
なんじゃないかと
思うようになってきた。

可愛くねぇお嬢様…
って心の中で思ってるから
私と話す時
あんな無表情なんじゃないかと
思っている。
もしくはサイボーグとか?
なんでも完璧だし。それもあり得る…
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