幸せの花が咲く町で




「やっぱり良いもんだね。」

「そうだね。」


しばらくしたら僕も公園に行こうと思ってはいたけれど、庭を少し片付けて、気になった所を手直ししてたら、そのうちになっちゃん達が戻って来た。
なっちゃんの手には、鮮やかな色の花束が握られてた。
なんでも、公園の向かい側に花屋さんがあったとかで、そこで買って来たとのことだった。



そういえば、僕の家にはいつも花が飾られていた。
玄関とリビング、そして、たまにトイレや洗面所にも。
それはさほど気取った花ではなくて、そこらへんによく咲いてるような花が多く、月末だけは大きな百合や赤い薔薇が飾られていた。



「庭だけじゃなくて、これからは家の中にも花を飾ろうよ。」

「そうだね。そうしよう。」

「あ、お仏壇用のも買って来たよ。」

「そう…ありがとう。」



なっちゃんの飾った花は、いい加減に花瓶に放り込んだだけだ。
母さんは、きっと、それを見て苦笑いをしてるはず。
もっと上手に生けられないものかって……



「パパ!僕、自転車に乗れたよ!」

「そうか、すごいな!」

「パパ!なっちゃんも乗れたよ!」

なっちゃんが、おどけて小太郎の真似をする。



「へぇ~…」

なっちゃんも小太郎も笑顔で……
家は今までより格段に暮らしやすい環境になって……



ここに来たのは、正解だったのかもしれないと僕にも少し思えてきた。

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