ガラスの靴じゃないけれど


それなのに私が返事をする間もなく、望月さんはヘッドボードの上に手を伸ばすと小さな袋を破いた。

戸惑いながら望月さんの手元にふと視線を向ければ、初めて見る男の人のその形と大きさに、ただただ驚くばかり。

「入れるよ?いいね?」

あんな形のものが。あんなに大きいものが。自分の中に入ってくるなんて絶対に有り得ない。

もう恐怖しか感じられなくなってしまった私は、望月さんには申し訳ないけれど、この先に進むのは無理だと言おうとした。

「も、望月さん。やっぱり私...ん..いぁ」

でも断りの言葉を最後まで言い終わらないうちに、強烈な痛みが下半身を貫く。

「若葉。力抜いて」

力を抜くも何も、どうすればいいのかわからない。

「望月さん...お願い。ヤメテ」

腰を振り始めた望月さんに向かって、懇願するように口を開いた。

でも......。

「無理。ゴメン若葉。我慢して」

好きな人と結ばれたはずなのに、私の心に募るのは虚しい思いばかり。

目尻を伝うのは、一筋の涙。

その涙が乾く前に、望月さんが短く声を上げた。


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