ヴァイオリンとフルート
 桜の元へ行くと涙菜は感想を溢した。

「満開で綺麗だね。でも、こんなに綺麗な桜なのに誰もいないね。」

「うん、ほんとだね。でも、静かで良いと思うよ。涙菜も安心できるだろ?」

「うん!!」

 優奈は涙菜の強度の人見知りを心配していてくれたのだった。
 暫し2人は桜を眺めていた。
 また、暫くして優奈が小さく涙菜を呼んだ。

「ねぇ、涙菜・・・」

「何?」

「・・・君が好きでも良いかな?」

「・・・」

 二人の間に沈黙が流れた。
 優奈がその沈黙を破った。

「涙菜、僕は君の事が好きです。」

「・・・・・・き。」

 涙菜は顔を赤くして何かを呟いた。その呟きは聞き逃してしまいそうな小さな呟きだった。けど、優奈には聞こえていた。優奈も顔を真っ赤にして言った。

「き、君も僕・・の事、好きですか?」

 涙菜は下を見たまま小さく頷いた。
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