Jewel Memory*2つ年下



「ココ〜、巳波のこと見ててね」


「分かった、見てるー」



不安で不安で、仕方ないよ。


ホント、なんで違う団になっちゃったんだろ。



部活もつぶれて、巳波を見れるのは昼休みだけ。


しかも昼休み、どこにいるか分かんないし………。


視力悪いからなー。

不便。


ま、ココが視力いいから一緒に探してもらうけど。





それでも時々、
体育祭の練習中に目が合って手振ったり、

ってことはあったんだ。


休みの日は電話してたしね。




体育祭の日に近づいて、プログラムが配られた時も、

ちゃんと1年生の種目チェックしたし。





そーいえば。


巳波に出逢ってから数日後。



全学年の全員の名前が載ってるプリントの中で、

自分の次に見つけた名前は


“櫻井巳波”だったっけ。



今頃になって、春の出来事が
全て懐かしく思えてきた。



拓一筋だったあたしが、年下に恋してるとか………


まだ信じられないかも。




でも、やっぱり。


好きって気持ちに、

年の差なんて関係ないって思った。





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