あなたがいたから、幸せでした。



「拓馬、頑張って。」


私は必死に拓馬に呼び掛ける。

手にはあの手紙を握り締めたまま。


救急車の中は意外にも広く思えた。


とにかく心臓マッサージをして、

とにかく人工呼吸。

ときどきAEDを使って、

心臓に衝撃を与える。

目には見えないけど、

それでも衝撃はあるらしい。


「拓馬!目ぇ覚ましてよぉ」


私の声は、聞こえてないのかな?


ああ、あの時の夢みたいに

〝白い花〟は出てこないの!?




拓馬。


病院に着くまでの長い時間、

私は拓馬にずっと呼び掛けた。

反応はこれっぽちもしてくれない。





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