あなたがいたから、幸せでした。
隣の雅の部屋で、雅が壁に腰を下ろした音が聞こえた。

ちょうど私も、そのあたりに座っていた。

壁を挟んだ向こうに、雅がいる。

それが私にとって、どんなに恐怖か、雅は分かってないでしょ?


「あたし、今お姉ちゃんに向かって言葉を投げかけるの、

とっても怖いんだよ?

聞いてるだけだから分かんないと思うけど、

これがあたしにとって、あたし達にとって、約1年振りなんだよ・・・」


うん。

知ってる。私が家を飛び出したあの日、お父さんが出て行ったあの日、

真夏のような暑さだったもの。

そして後2カ月もしたら、その季節になっちゃうんだよね。


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