お金より体力が大事?
その後、小花は足に包帯をしたまま、幸鷹に抱えられて飛行機に乗り帰国した。
そして、幸鷹は1か月仕事を休んで小花の家でいっしょに暮らすことにした。


「はい、昼食だよ、お嬢さま。」


「ごめんなさい。もうS&Yにもどっていいのに。」


「それはきけないな。もう2度と逃げられたくないからな。」



「だけど・・・お仕事が。」


「俺は仕事より、君が大切に思ってるんだけどな。」



「えっ・・・」


「まだ信じてもらえないのかな。
俺は掛け値なしで、小花が好きだよ。

君がひたすらファイルやノートに書いていたくらい俺は君に口で伝えないとね。」


「だけど・・・だけど・・・私は幸鷹さんのとこに集まる美女とはぜんぜん違うし、まだ学生だし。」



「そうだね。だから卒業してくれって言ってたのに・・・。
早く卒業してくれたら結婚を申し込もうと思って仕事してたんだ。」


「あ・・・うそ。」


「君には感謝しきれないくらい助けてもらったことに感謝してるよ。
けど、俺の気持ちをきっちり伝えたかった。

君の仕事してるときの顔も、勉強でヒイヒイ言ってるときの顔もどっちも真剣でかわいいと思った。
妹みたいに感じてるのかって自分を問いただしたこともある。

でも、そんなのは時間の無駄だって思ったよ。
君の秘密を見ちゃったらね。」



「そんな・・・そんな・・・。」


「かなり、俺も自分の姿の写真をたくさん見るのは恥ずかしかったし、それにいちいち感想がついてあるのもびっくりした。
もう、かあちゃんが俺のために残してくれた写真ブックよりすごくて、驚いたよ。

だけど、もううれしくてたまらない。
こんなふうに見てくれていた女の子がいてくれただけでも、感謝だけではすまないよ。

しかも、俺の好きな女が俺の表情が変わるたびに、心配とか、うれしいとか悲しいとかカッコイイとかかわいいとか・・・はずかしいけど、感動するじゃないか。」


「もう、やめてよ・・・はずかしい。」


「お互いはずかしいから結婚しよう。
学校も行っていいからさ。

でも、仕事はしばらくしない方がいい。
俺が過保護にしてあげる時間がほしいからね。」


「もう・・・幸鷹さん。
わかったから、もう言わないで。」
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