お金より体力が大事?
2人は小花の怪我が治るまで、いっしょに仲良く暮らしていた。

そんなとき、幸鷹宛てに女性名で手紙が届いた。



「小花・・・悪いけど、俺しばらくホテル暮らしになるから。」


「何かあったの?
手紙の主はやっぱり女性・・・?」


「あっ、ご、誤解だって。
女性には違いないんだけど、俺の姉からの手紙なんだ。
義兄が仕事でアメリカへ行ってて1週間帰ってこないんだ。

こっちへ出てくるらしいんだが、3人も子どもがいてね。
姉だけだと大変だから、子守りを手伝ってやろうと思ってさ。」



「いつなの?私の足はもうほとんど大丈夫だよ。」


「それが・・・明後日なんだ。
なんか、姉が君にも会いたいらしくてね・・・。」



「ええっ!どうして私のことを?」


「それは俺が君のことをずっと・・・相談したりしてて・・・。
あたりまえだろ?
親父の遺産だと思っていた会社でひどい目にあって、助けてくれた女神様なんだ。

身内がいるのに何も言わない方がおかしいだろ。」


「な、なるほど・・・」


「で・・・さ・・・俺、最近、姉ちゃんに言ってしまったんだ。
結婚を前提に同棲してるんだって。」



「そうなの・・・えっ・・・えぇぇぇぇええ!」


「悪い、姉ちゃんより、先に小花に相談しなきゃいけなかったのに・・・俺は・・・。
ごめん。だから・・・2~3日泊まって来るわ。」


「あ、じゃあ・・・うちの別荘に泊まってもらえばいいじゃない。
そうすればホテル代もうくし、お手伝いさんもいるから不自由しないよ。」


「だけど、それじゃ・・・迷惑が」



「私はそんなに動けないから、お会いするときだけきてもらうか、私が別荘にいくかすればいいわ。
ホテルはキャンセルして。
別荘ったって、そこも仕事場だから、私の書斎には鍵をかけておくし、その他の部屋は自由に使ってもらっていいわ。」


「ほんとか?じゃ、早速言ってみるよ。」



「自然も多いところで、子どもたちも遊べると思うから楽しめるわよ。」


「そりゃ、いいや。ここから遠いのかい?」


「車で1時間10分くらいかな。そんなに遠くないわね。」



「よし、それなら夜はここに俺も帰ってこれそうだな。」


「あ、無理はしないで。子守りは疲れるでしょ。
用事があれば私が動くから。」


「じゃあこうしよう。後半2日だけ別荘の方に住んでくれないかな。
それで駅まで見送りしてくるから。」


「OKよ。なんかワクワクする。」


「びっくりするなよ。元気なやつらだからな。」
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