泣き虫王子と哀願少女



「潤ー! 雫ちゃーん!」

「あ、リカちゃん!」



スカートの裾を風に揺らしながら、リカちゃんが小走りにやってきた。



「ハァハァ……、ごめんね、待った?」

「ううん、私達もさっき来たところだから大丈夫だよ」

「よかったー!」



息をきらせながら、リカちゃんがニッコリと微笑む。



―― 相変わらず可愛いなぁ……。



可愛らしいピンクのパフスリーブTシャツに白いレースのミニスカート。

頭の赤いチェックのリボンカチューシャが、リカちゃんの可愛らしさを更に引き立てていた。


それに比べて私は、黒のデザインTシャツにデニムのホットパンツ。


カジュアル過ぎてお世辞にも「可愛い」とは言えないファッションだった。

< 150 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop