アキと私〜茜色の約束〜
『おい、聞いてんのか⁉︎』
秋人‼︎っと、アキに強く肩を後ろに引かれ、足を止める。
うるさい、うるさい、うるさい‼︎
うざいんだよ、と口を開きかけた時。
『あら、秋人君!大変だったわね』
商店街の八百屋のおばさんが、哀れみを含んだ眼差しで近寄ってきた。
『お母さんが出て行ってから、もうだいぶ経つでしょう?ちゃんと食べれてるの?』
あたかも可哀想な子ね、と言いたそうに聞こえるのは気のせいじゃないと思う。
『出て行った?』
アキは自分の耳を疑ったように、眉をひそめて俺を見る。
そりゃそうだ。
言うつもりはなかった。
こういうことはすぐに噂になるけど、俺の口からは絶対に言いたくなかった。
例え、それが幼馴染にでも。
アキの視線が痛くて、視線を地面へ逸らす。