アキと私〜茜色の約束〜
確かに、ここ一年。
親父は仕事の帰りが遅くなった。
それは若くして役職について、仕方がないことだと母さんはずっと俺に言っていたけれど。
それは俺にじゃなく、自分自身に言い聞かせてたんだと思う。
俺達家族のために、親父は汗水垂らして頑張ってたのに。
『本当はまだ言うつもりはなかったんだ。もう少し秋人が大きくなってから、と思ってたんだけど…理由が理由だからな。ごめん』
『なんで親父が謝るんだよ。親父は悪くねぇだろ』
『俺がいけなかったんだよ。仕事仕事って、家族のことを二の次にしてたから』
親父は不倫された被害者なのに、母さんを庇うように言う。
『何で親父はこんなことされてまで母さんのこと庇うんだよ‼︎俺、見たんだ。親父、リビングで酒飲みながら泣いてたろ⁉︎まだ母さんのこと大切に思ってんのかよ⁉︎』