アキと私〜茜色の約束〜

『じゃあ俺、行くわ』


俺が頬を拭いながら立ち上がると、アキが俺を呼んだ。


『俺ら、ずっとライバルだよな?』

『…さぁな』


この時、アキは多分、何となく勘付いてたんだと思う。

変わっていく俺を…



その日の夜、親父から話を聞いた。

どうやら母さんと不倫相手がデートしている現場を、たまたま仕事から早く帰ってきた親父が目撃したらしい。

すぐに問い詰めると、母さんは、


『寂しかったのよ…あなた最近、全然相手にしてくれないから』


そう泣きながら言ったそうだ。

寂しい時、商店街で写真屋の店主がいつものように挨拶をしてくれて。
その笑顔が親父と被って、涙が溢れてきたらしい。

そのまま二人はそういう関係になって。

お互い、本気で好きになってしまった。


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